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Whiskey
- Sakura Amane
- 2017年5月29日
- 読了時間: 1分
カウンターにふたり、
並んですわる。
触れそうな距離、
保ったままで、
あなたの指先、
マルボロの文字、
灰が燻る、
グラスを重ねる。
あなたの求める女の子にはなれないし、
それは私が描いてるものとも違う。
だけどどうしようもなく惹かれている。
あなたに、
その手が傾けたウイスキーグラスの中で、
音を立てて溶けていく氷、
夜は更けていく。
あなたが時々、
私の目を見る。
鼓動の音が、聞こえませんように。
あなたの求めるものに賛同できないし、
私が求めた人とあなたは違う。
先が見えないことも充分わかってる。
それでも、
その手が傾けたウイスキーグラスの中で、
音を立てて溶けていく氷、
夜は更けていく、
その手が抱き寄せた、あの夜憶えてる。
音を立てて溶けていく氷、
あなたの一歩を待っている私。
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